Doctor’s LABOトピックス

Yahoo!検索のHPリンクが広告対象に

広告掲載基準の変更、1月6日から適用へ
Before After症例写真の掲載に厳しい審査

最大手googleも追随へ
検索エンジン頼みの集患は厳しくなるか?

専門情報サイトの活用が重要に

昨年11月末、Yahoo!プロモーション広告における医療機関の広告掲載基準の変更が発表された。この突然の規制によって、美容クリニックや広告代理店に衝撃が走った。クリニック情報や施術費用が記載されている国内の医療機関であれば、Yahooでは事前審査の上で広告掲載はできていたが、その掲載基準が変わった。その後ろ盾となったのが、厚生労働省が平成19年に定めた「医療広告ガイドライン」の内容の遵守だという。新規広告掲載のクリニックでは2014年1月6日から、既存の掲載施設についても2月3日からの適用となる。様々な事前情報が飛び交う中、今回の広告規制の変更はクリニックにとってどんな影響を与えるのだろうか?本紙取材班が追った。

昨年11月末、Yahoo!プロモーション広告における医療機関の広告掲載基準の変更が発表された。この突然の規制によって、美容クリニックや広告代理店に衝撃が走った。クリニック情報や施術費用が記載されている国内の医療機関であれば、Yahooでは事前審査の上で広告掲載はできていたが、その掲載基準が変わった。その後ろ盾となったのが、厚生労働省が平成19年に定めた「医療広告ガイドライン」の内容の遵守だという。新規広告掲載のクリニックでは2014年1月6日から、既存の掲載施設についても2月3日からの適用となる。様々な事前情報が飛び交う中、今回の広告規制の変更はクリニックにとってどんな影響を与えるのだろうか?本紙取材班が追った。

Yahoo!広告規制に関連して

平成19年、厚生労働省が「医療広告ガイドライン」を策定したが、これにより雑誌などの広告対象に対して、術前術後の症例写真や体験談の掲載を不可としている。またそれ以外にも、国内未承認医薬品を用いた診療に関する広告や、キャンペーン価格の表記を禁止した。
そしてその後、平成24年に厚生労働省は「医療機関ホームページ(以下HP(ガイドライン)を新たにつくったことは記憶に新しい(翌25年には24年ガイドラインに一部修正を加えたものを提出)。本紙でも幾たびか報道してきたが、このHPガイドラインよると、HPでは術前術後の症例写真や体験談の掲載は、加工・恣意的な修正がなければ可としている。また未承認医薬品を用いた診療についても掲載可能としている。
これは「医療機関が開設するホームページは当該機関の情報をえる目的をもつ者が検索サイトでの検索を行い閲覧するため、広告とはみなさない」とする原則論から、HPが広告とはみなされていないからだ。そのため、写真や診療メニューについても掲載は比較的自由度が高い。もっぱらインターネットで集患を行う美容医療にとって、こうした規制のゆくえは経営を左右するだけに、業界にとってひとまずは安堵の胸をなでおろした結果だといっていい。
しかし今回のYahoo!の広告掲載基準の変更によって、Yahoo!上の広告(リスティング広告など)からのリンク先においても、広告としてみなされると解釈されたことになる。
つまり、Yahoo!上の広告クリエイティブから自社HPにリンクしている場合は、HPであっても広告とみなされ、厚労省が定めた「医療広告ガイドライン」の適用範囲となり、規制対象となるという。通常のHPの場合、術前術後の写真掲載、体験談掲載、未承認医薬品の診療メニューも掲載できるが、Yahoo!広告からのリンク先として使用する場合は自社HPでも術前後の症例写真掲載などが難しくなる。社会倫理上の課題を残す遺伝子治療などを使った診療メニューなど、HPの広告掲載そのものができないケースもあるようだ。
そもそも「医療広告ガイドライン」は厚労省が定めたものではあるが、この取り締まり強化の構図は、行政から媒体運営元にまで波及していく様相を呈している。さらにもうひとつの巨大な検索エンジンgoogleにおいても、近いうちに同様の動きをみせることは間違いない。
こうした中、クリニックや広告代理店が様々な対策を講じつつある。たとえば情報サイトなど自社サイト以外のHPを使ったプロモーションの積極的な取り組みだ。自社サイトへ直接リンクする形でのYahoo!広告掲載についてはハードルがあがるが、情報サイトを介しての自社サイトへのリンクについては、内容によっては今後も可能であるためだ。ただしその際、バナー広告等が多く掲載されている商用目的のポータルサイトの場合は、情報サイトと見なされない。
本紙JHMでは昨年から、最新の美容医療情報やドクター紹介を行うサイト「Doctor’s LABO」の運営を行っている。本サイトでは昨年末から、ドクターインタビューだけではなく話題の施術や最新医療をドクター経由で紹介するコンテンツを新たに追加した。このサイトは、広告代理店が運営する広告メインの商用サイトではなく、最新の医療情報や医療問題への提言など、新聞社が運営する「真の専門情報サイト」という位置づけを目指し、あくまで本紙「健康と医療」の記事掲載を前提に、その後「Doctor’s LABO」に転載する運営方法をとるため、術前術後の写真掲載、体験談掲載、未承認医薬品の診療メニューなどの掲載ができることはいうまでもない。
今回のYahoo!広告規制によって、もはや検索エンジンを活用したネット集患は終焉を告げることになるはずだ。一方で、専門紙、専門サイトによる広告目的ではない、公平な情報提供の必要性はさらに増すに違いない。
それこそが、ユーザーが求める美容医療の情報であり、適正で高い技術を提供するクリニックだといえよう。

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