最新治療レポート

受講者の顔ぶれ一変 看護師や歯科系増える

JAAS第2期エステ講習会(基礎講座)で
資格講習会への認知すすむ
メディカルエステ
医科・歯科の収益部門に

「もはや美容医療とエステが敵対する構図は成り立たない。マーケット全体の委縮を招くことは明らかだ。だからこそエステと医療は共存繁栄するためにお互いの理解と協力が不可欠である」(JAAS理事・山本医師)。誰もが気づいていながら、なかなかそうした方向に向かわないのはなぜだろう?お互いが施術や知識を知らず、交流が疎遠になってしまっていることが一つの要因なのではないだろうか。場合によっては、エステ側は「エステの施術ですべて顧客の満足度を満たした」として、美容医療の良さを伝えない。また美容医療側は「エステで行う施術は効かない、過度な施術は危険である」としてエステサロンをバカにする。この疑心暗鬼ともいうべき負の連鎖が、お互いの提携を阻む。エステに来る顧客に美容医療の良さを伝え、クリニックに紹介すれば顧客から喜ばれるはずだ。その顧客は必ず「エステでしか味わえない、癒せない施術」に帰ってくる。また美容医療の施術のあとに行うアフタートリートメント・ボディメンテナンスはクリニックではやれないか、あるいは不得手であるはずだ。だからこそ患者をエステに紹介してやる。この良好な循環がこれからは必要となる。JAAS認定エステティシャン資格講習会は、こうした背景から昨年スタートし、今年第2期目が2月24日から始まった。受講生には歯科医や歯科衛生士さらには、美容クリニックの看護師などもみられ、1期目に比べ、参加者の顔ぶれも一変した。「医科・歯科のメディカルエステを収益部門に」とする、資格講習会の活動が認知されてきたといっていい。


本資格コースでは第1期生45名がすでに4回の受講を終え、うち23名が認定エステティシャン資格を取得した。そして今年2月24日には、2期目がスタートし30名ほどの受講生が資格取得に向けて参加した。資格要件では、2期目途中からの受講スタートも可能として、今後4月、6月、9月と残り3回の講習会からも受講者は増えることが予想されている(どの講座からもスタートできるが、一年間で基礎、実技供覧①、同②、修了講座の4回計10単位の履修が必要となる。受講対象はJAAS会員のみで、非会員は受講と同時に入会が必須)。
2月に開催された基礎講座では、まずJAAS理事の池田 欣生医師(東京皮膚科・形成外科総院長)から
美容をテーマにした講義が行われた。美容医療における「美の追求」は、エステティシャンにも共通することから、わかりやすい解剖の基礎から始まり、目、鼻、口、骨格について論を進めた。
池田講師は「医師とエステティシャン、あるいは美容師がそれぞれ得意分野を補いながらユーザーの満足度を高めることが大事」と強調し、美容医療の施術のフォローとしてエステサロン側がエンチエイジングのためのトリートメントが必要と述べた。
さらに、エステ術の良さをさらに知らしめるには、美容医療と同じように施術前後の症例を出すべきだとして、そうしたエビデンスの発表をJAASでは歓迎したい、と投げかけた。
次に1期目から講師を務める三田村 聡歯科医(ビューティイン ロハス・エステティシャン)から「歯科クリニックにおけるエステ部門と失敗しないための経営学」について、自らの経験をもとに講演が行われた。
三田村講師は講義の後半、NLP神経言語プロムラミングの話題を提供し、いわゆる「脳の取り扱い説明書」とも呼ばれるこの心理学の理論体系を、カウンセリングのコミュニケーションとして充分、活用できることを力説した。
人の行動を五感を通して分類、パターン化。実際のサロン空間で顧客の思考や反応さらには物販での購買を喚起させるカウンセリング能力の向上に参考になるというから興味深い。


休憩をはさみ、恒例の美容機器のデモや化粧品について、協賛企業からの講演が行われ、美顔器「Dr Gavel」(フェイス)、痩身マシン「Dr J」(ARTISTIC)やサロンに向けた化粧品受託(ハピネス)の提案が行われた。
ひときわ参加者から関心を集めたのが、ハピネス代表の永島氏の話で、「長く続けられてきた理美容業界の商習慣はこれから変わる。問屋、中間業者を介しての化粧品の流通ではなく、メーカーあるいは受託会社からの直販に移行する」と語ったからだ。
同社は関東圏に化粧品製造3工場をもち、理美容や一部エステサロンに小ロット低価格のOEMブランドを供給する。一方で永島氏自ら長く香粧品化学を、理容美容専門学校で教えてきた経歴ももつ。
こうしたことから、「お客さんを美しくした分、サロンさんはもっと儲けてほしい」と述べ、そのためにも良質で投資コストを最小限に抑えた小ロットの化粧品、ヘアケア商品を製造していくと投げかけた。もちろん、このOEM受託プランによって、流通マージンはゼロに抑え、その分サロン側の利益率は格段に高まることはいうまでもない。
INFAインストラクターの木代 紀美子氏が「エステティシャンの心得え」について講義をして、基礎講座は終了した。
次回、2期第2回の実技供覧講座は4月14日(日)品川で開催される(プログラム・お申込みはホームページにて。

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