美容アンチエイジング業界コラム

みたむら歯科医院・エステサロンBeauty Inn LAHAS

みたむら歯科医院・エステサロンBeauty Inn LAHAS
三田村 聡DDS・エステティシャン

デンタルエステ導入の勧め

歯科の役割は、「疾病治療だけ」から「軟組織の機能再建(美容医療)」へ
JAASで、口腔内エステ・美容医療(歯科医)、エステ術(歯科衛生士)を学ぼう

義歯、インプラントに起因するシワ、たるみ(軟組織)は歯科・医科連携で

急速な高齢化社会の中、アンチエイジング診療が注目を浴びています。また、歯科医療を取り巻く環境、状況も大きく変わり、経営の厳しさも増してきています。そのため、保険診療に加えてインプラント治療など自由診療に目を向けるクリニックが急増し、患者の取り合いが激化しています。また、歯科治療技術の進歩、情報の普及により患者側の審美的要求も高まっています。
だからこそ、「いつまでも美しく健康でありたい」という患者のニーズに合わせてアンチエイジング、美容医療を導入することは増患・自費診療UPに繋がると考えられます。特にインプラントのメインテナンス後のプラスαの施術としてリコール・システムを構築することは、患者にとっても自然な流れ、クリニックにとっても安全な治療をつくる、とてもよいシステムではないでしょうか。
義歯やインプラント、矯正治療に起因するシワ、たるみなど軟組織の変化は、硬組織(歯・骨)の治療や個体の成長(老化)による結果生じたものであり、積極的にその変化を求めるために、何らかの手法を用いた結果ではありません。だからこそ、疾病治療だけでなく軟組織に対する機能再建や美容医療・施術の重要性が注目されてきているのです。

ここ数年、アンチエイジングとしてのフィラー注入やビタミンC点滴、血液オゾンクレンジングなどを導入する歯科クリニックも増えてきています。口唇周辺の治療範囲亜の解釈をめぐる医科、歯科の論争はあるものの、医科との連携でこうした治療の有害事象などリスク対策を講じていけば、施術範囲に入るでしょう。しかし一般に行なわれている美容施術というと、いわゆる「デンタルエステ」といえます。
デンタルエステは、一般にデンタルクリーニング(歯石除去)、ホワイトニング、リップエステ、歯肉マッサージ、歯磨き指導などが主にあげられます。また、黒ずんだり欠けたりしている歯の表面を削ってセラミックを貼り付けて歯を白くするラミネートベニアやセラミック冠、歯肉をきれいなピンク色にするメラニン除去術などの審美歯科治療も、口元、歯の美容としてデンタルエステに含まれます。さらにエビデンスの揃った医療機関向けサプリメントの院内販売もいいでしょう。
そして、これらのエステメニューは治療、もしくはその延長上に存在します。また、歯列矯正、オーラルリハビリテーションの筋機能訓練などでの表情筋トレーニングもエステメニューに含まれますが、同様に治療の延長だといえます。患者の行動の〟基盤暗示〟を治療でなく美容にしなくてはなりません。
そこで、歯科エステというオーラルエステ「しか」できないという「しかエステ」でなく、より医療に近い施術の「クリ二カルエステ」を実践することをおすすめしたいのです。しかし、歯科クリニックがデンタルエステを含めてエステを導入、実践するにあたり、やはり戦略と戦術が必要となってくるのではないのでしょうか。
なぜなら戦略や戦術がないと、患者をエステのクライアントに取り込むときに、エステ施術を治療の延長と考えてしまいがちです。これだと、せっかく高額機器や器具を揃えたとしても、集客が得られなければ情熱や知識、技量の空振りで終わってしまうことになります。デンタルエステという治療の延長ではなく、エステサロンのような心の癒し、体の美を提供することがこれからは必要なのです。
それと戦略的に、安価なエステ施術から高価な治療へと2ステップ・アプローチという提案をするのにも明確化は重要です。一般的に商品やサービスに対しての顧客心理は、あるタイミングで買いたくなるのです。そのタイミングとは、欲求が高まった時です。この時をただ待つのではなく、クリニック側が戦略的に提案し、誘導していくのです。

デンタルエステ範囲は「顔」「痩身」に

では、いかに美容を提案すればよいのでしょうか?
残念ながら、歯科医師やパラメディカルの歯科衛生士が「美容医療もしくは美容術」を学ぶ機会は今までなかったと思われます。JAASアンチエイジング外科学会のみが美容医療からクリ二カルエステまでトータルで学ぶことのできる唯一のところだと思います。歯科医師は口唇周辺の美容医療術とデンタルエステ術を、また歯科スタッフはエステティシャンとしての「顔」「痩身」のメンテナンス・美容術を学べます。
美容医療と施術をしっかりと勉強することで、デンタルクリニックがいかに美容施術を行なうべきなのかのスキルが身に付くでしょう。これからは、口元からの若返りに加えて、顔と身体の若返りを発信できる歯科クリニックへと転換していく時代です。
口腔領域の齲蝕、歯周病、口臭などの問題は、生活習慣や食生活に起因する肥満やメタボリックシンドロームなど全身へ影響します。また、糖尿病など代謝異常のリスクから考えれば、歯周病は間接的に全身の健康に相応の影響を及ぼしています。歯の喪失や噛み合わせの悪さが原因でよく噛むことが出来ないために、中枢神経系の食欲抑制機能がうまく働かなくなり、肥満をきたしやすくもなります。そこで、ダイエットなど、生活習慣の改善などの必要性が出てくるのです。
健康のためにも肥満を解消し、病気に対するリスクを減らしていくことの必要性から、個々人に適したサプリメントや薬剤の選択と食事制限、および運動などの生活習慣の改善計画、さらには脂肪排出を促すようなエステ痩身施術の提供の必要性が生まれるのです。
このように医療と美容をうまく融合していくことで、新しいニーズが生まれ、他院との差別化が計られるのです。

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