美容アンチエイジング業界コラム

患者を惑わすだけの「修正」にはご用心!

美容整形!「修正治療」キーワードで集患戦略
いき場を失ったネット広告の果て

失敗症例つくるクリニックまでが汚名返上で「修正」を利用

専門の修正クリニックがお勧め
過去の修正治療数、症例写真、医師のスキルを見極めることが重要

患者のためには広告に投資するより「技術研さん」に投資を

患者のためには広告に投資するより「技術研さん」に投資を

ここ最近、ネット検索である異変に気づく。美容整形、外科の修正というキーワードの多さだ。
「美容外科 修正」ー多少の文言、語順の違いはあっても、失敗症例あるいはクレームをもつ患者が検索するキーワードであろう。
つい1年前までは、こうした検索ワードで見つかるクリニックはわずかだったが、いまや、検索上位から下位まで相当な数のクリニックが出てくる。
ウエブ専門によると「修正クリニックはクレームや失敗した症例を治すことから手術が上手いという印象をもつ。このイメージが奏功して新患を誘導できる」という。
2012年から始まった厚労省による「ホームページの医療広告ガイドライン規制」や、美容整形のクレームが急増!とことさらに煽る映像メディアからの放映、さらにフェイスリフトの医療過誤を巡る患者側からの集団訴訟など、美容医療業界にとって逆風が吹き荒れるなか、クリニック側のネット広告はいき場を失った。
こうしたなか、いま修正治療をうたい文句に掲げた〃にわか仕込み〃の修正クリニックに患者が駆け込んだ末、修正の失敗を重ね、ひどい症例となって、修正治療を専門とするクリニックにたどり着くというケースが後を絶たない。
個人情報の秘匿義務があるため、詳しい症例情報は明らかにできないが実際にこうしたケースは少なくなく、修正を求める患者であればあるほど、その事情を周囲に漏らすことはほとんどないため、国民生活センターなどが掌握する美容医療の相談、苦情にほとんど入らない。入ったとしてもオープンにならないことはいうまでもない。
ちなみに国民生活センター、東京消費者ではここ最近の苦情が急増していることは事実だ(本紙既報のとおりリフトアップの苦情が急増26年上期が前年増件数を上回ったり、相談件数総数でも09年~14年で2倍になっている)。それは少なからず修正を要する潜在的な需要を生み出すことにつながることもまた事実かも知れない。
裏を返せば、この修正治療の世界は患者自身の秘匿事情によって表沙汰にはならないため、クリニックにとってはその治療が成功、失敗に関わらずクローズドな情報となる。
しかし、修正に成功するケースはまだしも、失敗を重ねられた患者はたまったものではない。ある意味、泣き寝入りとなるからだ。
まさに、社会的、道義的な制裁を課せないアンタッチャブルな世界といえよう。
周知の通り、JAASアカデミーでは、過去5年に及ぶ山本塾ライブ講習会を開催してきており、その間、実施してきた講習会は100回を優に超える。修正治療のスペシャリスト山本 豊医師だからこそ伝授できるプライマー患者の手術(上下眼瞼形成、鼻形成、フェイスリフトなど)を、モデルとなる患者に協力してもらい美容外科、形成、皮膚科、眼科などのドクター達に手術の技術、技能を伝授し続けている。このライブ講習会は、TBSのニュース番組「nスタ」でもたびたび放映され、他院の美容整形クリニックで失敗症例となった患者を山本医師が修正手術をするというドキュメントタッチの中で、紹介されている。
山本塾長から受講する医師らにライブ供覧してもらう中で、手術の術式、勘どころさらには「クレームをつくらないためのオペのポイント」をきめ細かく教えていくもので、受講する医師らはいわば研修生となって勉強していく。ただ、教える側も教わる側も先生と生徒という厳格な主従関係ではなく、山本塾長の術式をベースにさまざまなディスカッションをしながら共に学んでいくことはいうまでもない。
受講する医師の中には、このライブ授業で学び会得したものを、自らの患者からの修正依頼にフィードバックするドクターも少なくない。また、自らのスキルに限界を感じた時は、指導医 山本医師の山本クリニックに紹介するケースも多いという。
患者獲得を優先するあまり、時として「耳障りのいい」誘い文句を弄して患者に修正オペをし、結果的に修正のそのまた修正症例をつくってしまう美容医療業界の現実をみるにつけ、「宣伝ありきの集患合戦」に血道をあげることより、ドクターの美容整形のスキルを磨くことこそ今求められているはずだ。
一方で、そうした技術研鑽の機会が美容医療の世界ではあまりにも少ないこともまた否めない。
業界の社会的な信用をあげるためにも、医師の技術研鑽とレベルアップを真剣に考えていくことを、業界関係者に願ってやまない。

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