JAAS推奨 美容形成スキルとその症例

眉下切開による傷跡やたるみ、症例やダウンタイムのメリット・デメリット

まぶたのたるみ取りは侵襲的な治療(手術)と非侵襲的な治療(主にレーザーなどの照射系治療)に分かれます。非侵襲的治療の方が循環型でリピートするので経営上は有利という意見もあり、世間に出回る情報も圧倒的に手術に関するものは少ないと言えます。しかし、患者さんの立場で言えば、手術による治療の方が長持ちでコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。
「切っても永久じゃない」と言った意見もありますが、これは「老化は止められない」という誰でも知っている事実を無理やり言い換えた詭弁にも聞こえます。手術をすることで、多かれ少なかれ永久的な効果があることは間違いありません。(六本木境クリニック 境隆博 院長)

まぶたのたるみ取り手術には睫毛側の手術と眉毛側の手術があります。

イプシロン変形

イプシロン変形

上眼瞼形成術や眼瞼下垂症の手術など睫毛側の手術では、皮膚の切除幅によっては、いかにも整形をしたような顔になったり、イプシロン変形とも言われる丸っこい二重になることもあります。

また、切開線を二重の線の谷間にかくれる範囲にすると、外側のたるみが強調されることがあります。さらに、睫毛側の手術で外側のたるみまで切除した場合は、その切開線が頭側に伸びて歌舞伎役者をほうふつとさせる傷跡になっている症例もあります。

上眼瞼形成術(内側のみ)

上眼瞼形成術(内側のみ)

上眼瞼形成術(外側まで)

上眼瞼形成術(外側まで)

たるみ埋没と言われている、埋没法だけでたるみを解消しようという試みでは、たるみを二重のラインの下に移動させているだけですので、二重のラインの下がシワシワになったり、やはり整形顔やイプシロン変形になってしまう症例もあります。

たるみ埋没

たるみ埋没

一方、眉下切開も傷跡が目立つために、もともと高齢者の強いたるみに対して行われることが多い手術でした。しかし、そのクオリティーによっては年齢制限のない手術となります。(実際に当院の症例は10代~90代です。)眉下切開を若い人に行えるようになると、さらに応用も範囲が広がります。

眉下切開を行うと実際にまぶたが引き伸ばされて薄くなります。また、東洋人では、まぶたの外側にある骨の突出部の位置関係によって、まぶたが厚ぼったく見えると言われています。眉下切開後にはこの部分が多少移動して見えることによって傷跡も目立たずにスッキリとした印象になります。

眼窩外側縁

眼窩外側縁

眉下切開と他の手術との併用について

眉下切開と他手術の併用としては、「眉下切開と埋没法」「眉下切開と切開法」「眉下切開と挙筋前転法」などのバリエーションがあります。
元来、切開法・埋没法にかかわらず、東洋人に対して幅広の二重手術(重瞼術)を行うと不自然感が出る症例がありました。しかし、眉下切開で引き伸ばされたまぶたに対して重瞼術を行うと、切開法・埋没法ともに自然な幅広二重が可能となります。
また、眉下切開とスプリングスレッドを併用すると、お顔全体、特に正面から見た若返りを実現できます。

引き伸ばされて薄くなる

引き伸ばされて薄くなる

眉下切開の傷跡について

眉下切開において、患者さんの最も気になる点は、眉毛付近の傷跡でしょう。毛包斜切断法は、一般的に広く行われている「眉毛に沿って切開する方法」よりも整容的に優れています。
一般的な眉毛に沿って切開する方法ですと、創縁の毛根は露出して死んでしまいますので、創に沿って眉毛の脱落が生じます。そして、傷跡が眉毛の約1mm下へ移動し目立ってしまいます。また、この方法でうまくいき白い線になっている症例でも、傷跡部分に独特のテカリがあって目立つことがほとんどです。傷跡が目立つために50代以下の方はこの手術を受けない方が良いとも言われてきました。毛包斜切断法では傷跡からも発毛するため、白色瘢痕のテカリも防止することができます。傷跡が目立つのを気にするあまりに外側中心に短い切開となることが多く、外側に向けて強く引っ張られている症例が多いようです。

毛包斜切断法による眉下切開が世間一般で流行らない理由は、創縁をピッタリと合わせることが至難の業であり、特に睫毛側の皮膚断端が眉毛側に簡単に乗り上がってしまうため、トラップドアー変形(飾り窓変形)と言って眉毛の下が強く盛り上がってしまいます。このため眉毛の外側だけの切開や眉毛の形とは無関係な直線状の傷あとになっている症例が多く、傷跡も目立っている場合があります。

かざりまど変形

かざりまど変形


美しく仕上げることが難しいのですが、上手く行えば、傷跡からの発毛を実現でき、驚くほど目立たない傷跡にすることが可能です。当院ではよく「傷跡が消えて無くなりました」と言われています。

傷跡の問題をクリアした毛包斜切断法では、眉毛の形に合わせた全長に及ぶ長い切開線ですので、初期からアートメイク風または眉毛を整えただけに見えます。意外にも眉毛の途中から始まる傷跡の方が眉毛全長切開よりも目立ちます。
世間一般的には50代以降の手術のように言われている眉下切開が、毛包斜切断による眉毛全長切開によって10代~90代といった年齢制限のない手術に生まれ変わりました。

眉下切開のダウンタイムについて

具体的な事例でお話視させていただきます。
本日、1週間前後前に手術を行った眉下切開の30代と40代女性お二人の抜糸でした。何とお二人とも、手術を受けたことに旦那さんが気付かなかったそうです。お互いにビックリでした。理由は、眉毛のラインに沿った丁寧な縫合を行ったことと、さらに一般的な細い糸よりも更に細い、半透明な糸で丁寧に合わせたから傷跡に気付かなかったのでしょう。一般的な常識よりもはるかに細い半透明な糸ですと、他の人に気づかれないことが多いです。(なお細い半透明の糸を使用するため抜糸は通常よりも難易度が高く、30分程度かかります)目から入る情報は無限ですが、脳で処理できる情報は数個ですので、上手く対策すると、周りの人からはほとんど見えません。
しかし、当然 内出血がひどい場合には一時的に殴られた痕のように見えることもあります。傷口や縫い痕が見えずに内出血がひどい時は 人の発想は単純ですので「殴られた?」「転んだ?」ということになるでしょう。
ダウンタイムには個人差があります。ご自分では気になるかもしれませんが、縫合や糸を工夫することで、他の人には傷跡が極力見えない様に対応することも可能です。


取材協力:六本木境クリニック
境 隆博 院長
東京都港区六本木3‐7‐1THE ROPPONGI TOKYO 207
※眉下切開(眉下リフト)の詳細について

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