最新治療レポート

KAAS発足

韓国ソウルで記念総会兼ね、
第1回アジア美容外科医学会議開かれる

総勢100名超えるスピーカー集結

KSAS(韓国美容外科学会)から発展的に袂を分かち、新たな美容外科の団体が発足した。Korean Academy of Aesthetic Surgery & Medicine(韓国美容外科医学会)、略称KAASである。
会長には、JAAS名誉理事でもあるLim Jong hak医師(Kairos Aesthetic Clinic院長)が就任し、記念総会を兼ねた第1回アジア国際美容外科医学会議(Asian Forum For Aesthetic Surgery & Medicine) が、先ごろソウル江南区のCOEXで開催された。
2日間にわたり3会場で繰り広げられた発表には、総勢100名を超えるスピーカーが集結。眼瞼形成、鼻形成、フェイスリフト、レーザー治療による皮膚美容、豊胸、メディカル痩身・脂肪吸引、骨切りなによる輪郭形成、毛髪再生、顎顔面形成、フィラー注入など多岐にわたるセッションが用意され、韓国、中国、日本、ベトナム、タイ、台湾、シンガポール、フィリピン、インドネシア、イタリアからの演者が講演を行った。
演目にはStem Cellによる再生医療のセッションもあり、日・韓・中を代表する臨床医らが症例を交えて現状と課題を投げかけた。日本からはJAAS理事の中間 健医師が「脂肪由来幹細胞の安全性及び臨床応用と美容領域での将来性」と題して発表。
症例研究の成果と共に、韓国、日本の一部マスコミで取り上げられる誤解をもとにした幹細胞治療の実態と安全性に反論するかたちで、安全性に対する動物実験などの結果および、美容分野における幹細胞の可能性に
対し個人的見解を述べた。
一方Special Lectureとして3人の演者がこれからの美容外科の方向性を示す記念講演を行った。
イタリアのPier Antonio Bacci医師(Aesthetic Pathologies Center)は、「New treatment for cellulitis」を、日本の高田 好章医師(大阪大大学院教授)は「The basis of Beauty」を、さらにJAAS理事長の山本 豊医師(山本クリニック院長)が「Tendency of failure cases from other hospitals-surgery fixes formation Japanese Plastic Surgery」について報告した。
各国、お国事情の違いこそあれ、将来にわたりマーケットの伸長が予想される美容医療であるだけに、この演目では、300席を超えるメイン会場が立ち見も出るほど聴講者が詰めかけ、関心の高さが伺われた。
とりわけ山本医師が投げかけた「日本での失敗症例から学ぶ美容整形のこれからのあり方」に対しては質問が相次ぐ一方、分刻みのプログラムであったため、質疑応答は打ち切られてしまう(また、同時通訳機が韓国、中国2か国語のみであった点や、2か国が自国語の発表でそれ以外の国の演者が英語で発表するというちぐはぐさも進行上あり、学会運営の準備が目立ったことは否めない)。
あまりの演目の多さと100名を超える演者ということもあり、本紙では聴講そして取材の時間が足りなかったことが悔やまれる。しかし、KAAS発足後、間をおかずに打ち出した国際会議に、これほどのスピーカーを海外から集めた事実には驚きを隠せない。その功労者は、まぎれもなくKAASを立ち上げたLim医師であることはいうまでもない。
今後、KAASではさらにアジア圏の美容医療界を統合しながら、各国でAsian Forum For Aesthetic Surgery & Medicineの開催を呼びかけていく。そして国際的な技術、学術交流を進めながら提携、連携を強固なものにしていくという。
もちろんJAASもこうした動きに賛同し、協力を惜しまない。
ちなみに、JAASからは中間、山本医師の他、池田 欣生医師、久保 隆之医師がそれぞれ眼瞼形成、レーザー治療による美容皮膚のセッションで発表を行っている。

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