Doctor’s LABOトピックス

美しければ出世する!?

アメリカ社会で「容姿重視」の風潮は今も

ハンサム、美貌は平均収入5%高い

〟整形熱〟止まず「外観の変化で自信UP」が理由か?

心身ともに若々しく美しく
美容医療の役割大きい

米社会が抱える「肥満率の上昇」で痩身市場も拡大
Fat Ruduction市場規模(2016年)1億3000万ドルへ

老人ホームに入居する高齢女性に化粧をしてやる。そんなボランティア活動を続けるメイクアップアーティストがいる。その光景をみた医師が入居者の変化に驚く。綺麗になることより彼女たちの生物学的活性があがったという。また美容クリニックにくる患者の中には、引きこもりがちだった性格が二重術の術後から明るくなり声の表情、服装が一変して別人のように生き生きとした女性になっていく。美容医療に関わる医師であれば似たような経験はきっとあるのではないだろうか。そしてこうした「外観の変化」がビジネスマン(ウーマン)の意欲と能力UPをもたらすのかどうか?はわからない。しかし、アメリカ社会ではハンサムな男性、美貌の女性が、容姿の劣る男女に比べて平均収入がおよそ5%高い、という調査もあるほど。別の統計では「仕事で有利になるなら美容整形をしたい」と答えた女性は13%、実に10人にひとりが就職や出世にとって、魅力的な容姿が欠かせないと真剣に考えている。こんなアメリカ社会の〟過酷なビジネス社会〟の良し悪しは読者の判断にお任せしたい。しかし美容医療の業界にとっては歓迎できる現象といっていい。もちろん日本のビジネスの世界ではこの収入と美貌との相関はあり得ない。しかし美容医療によって容姿の改善がその人の能力と自信に好影響を与えるならば社会的な貢献度はさらに増すに違いない。
アメリカでは、2008年秋に起こったリーマンショックによる世界同時金融危機から、翌年09年、美容医療マーケットは冷え込んだ。しかし先の労働・雇用統計値から推察されるように、美容医療市場は盛り返している。

アメリカのビジネス社会では容姿重視の風潮はいまでも根強い。事の良し悪しは別として、経済学の世界で「ハンサム、美貌を有する美男美女が容姿の劣るものより仕事上よい成果を出す」と以前から指摘されてきた。能力を容姿の良さがさらにカバーして、意欲と自信をつけて業務成績につながっていく?のか。その点は定かではない。
しかしハンサムな男性がそうでない男性に比べて、収入で平均5%高く、美貌の女性は4%高いという調査結果がある。また米国美容形成学会(Americann Society for Aesthetic Plastic Surgery)によれば、「仕事で有利になるなら美容整形をしたい」と答えた女性は13%、男性でも10%、実に10人にひとりが就職や出世にとって、魅力的な容姿が欠かせないと真剣に考えていることが調査から明らかになっている。
もはやアメリカでは、職場において容姿は不可欠な要素となっている。
とりわけ容姿に対する女性の意識が高いといっていい。別の統計では、ビジネスウーマンにとって職場でボディラインを際立たせる服装を着たほうが有利だとする人が61%にものぼるから驚かされる。およそ日本では考えられない。
 もちろん日本のビジネス社会ではこうしたアメリカのような「容姿重視」の風潮や、収入と美貌との相関はあり得ない。しかし美容医療によって容姿の改善がその人の能力と自信に好影響を与えるならば社会的な貢献度はさらに増すに違いない。
アメリカでは、2008年秋に起こったリーマンショックによる世界同時金融危機から、翌年09年、美容医療の施術件数は1000万件を下回り、前年比2%減と冷え込んだ。金額ベースではその市場規模105億ドルだったが、需要が落ち込んだなかでも比較的堅調だったのが豊胸31万2000件、ボトックス255万7000件だった。
しかし先の労働・雇用環境と容姿の意識調査から推察されるように、美容医療市場は盛り返している。
アメリカの美容整形需要を象徴する豊胸や脂肪吸引など外科的な施術は相変わらず多いものの、その市場復活のけん引役となっているのが、非侵襲、低侵襲の施術だ。フィラー、ボトックスに加え、美容医療機を使った施術である。とりわけ肥満人口の増加に歯止めのかからないアメリカでは、痩身の需要は根強い。
ビジネスマンの必須条件にあえて「肥満ではない」ことが取り上げられるほどのお国柄ゆえなのか?はたまた職場で評価をあげるための服装を着るために?「ボディライン」のメンテナンスをするためなのか。いずれにしても、顔、ボディのスリムダウンに需要は伸びているという。
16面文中に掲載する[liposonix]開発、発売元の米SOLTA MEFDICALがまとめた統計資料によると、顔、ボディの痩身機器の市場規模は2011年3億1620万ドルから5年後の16年には、3億9770万ドルに拡大するという。
中でも圧倒的な市場の伸びを今後も続けると予想されているのがfat reduction脂肪除去の施術である。2011年に8500万ドルだった市場規模は16年に1億3000万ドルに達すると予想されている。
アメリカそして日本でも、美容整形で容姿や体形が改善して、それが就業者の仕事の能力UPや意欲ににつながるなら、美容医療の役割はますます社会的な存在感を増すに違いない。

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