Doctor’s LABOトピックス

エステ術なのに 美容医療に負けず劣らない 4

啓蒙の小冊子でエステ、クリニック間の
患者(顧客)争奪?の疑心暗鬼を払しょく

ARTISTIC新たな業務プランに、「DRブランド美容機器」をOEM。
G傘下の販社ディーラーからサロン市場に投入へ

「iPhone」化の象徴!DRGavel

13万台突破の「Arrivo」仕様に、機能追加
空冷式エレクトロフリーズ搭載で、毛穴の開孔、引き締め

エステサロンがクリニックと提携して、美容医療とエステの患者(顧客)の共有をはかったり、さらには美容クリニックやデンタルクリニックがエステ部門の併設を行うケースは少なくない。「もはや美容医療とエステが敵対している場合ではない。マーケット全体の委縮を招くことは明らかだ。だからこそエステと医療は共存繁栄するためにお互いの理解と協力が不可欠である」(JAAS理事・山本医師)
誰もが気づいていながらなかなか、そうした方向に向かわないのはなぜだろう?お互いが施術や知識を知らず、交流が疎遠になってしまっていることが一つの要因なのではないだろうか。場合によってはエステ側は「エステの施術ですべて顧客の満足度を満たした」として、美容医療の良さを伝えない。また美容医療側は「エステで行う施術は効かない、過度な施術は危険である」としてエステサロンをバカにする。この疑心暗鬼ともいうべき負の連鎖が、お互いの提携を阻む。エステに来る顧客に美容医療の良さを伝え、クリニックに紹介すれば顧客から喜ばれるはずだ。その顧客は必ず「エステでしか味わえない、癒せない施術」に帰ってくる。また美容医療の施術のあとに行うアフタートリートメント・ボディメンテナンスはクリニックではやれないか、あるいは不得手であるはずだ。だからこそ患者をエステに紹介してやる。この良好な循環がこれからは必要となる。好評の本シリーズ「エステ術なのに美容医療の施術効果に負けず劣らない」その4では、サロンに加え美容クリニック、デンタルクリニックからの取り扱いが増える美顔器「Dr ArrivoⅡ」の開発元として知られ、そのユニークな美容機器を次々と開発、製造、販売するアーティスティックの業務展開を取り上げてみる。さらに、小型化、機能集約化が進むエステ業務機器の「iPhone」化現象の象徴ともいうべき美顔器「DRGavel」にもう一度、スポットをあててみたい。同器はもちろん医療機器ではない。しかし美容医療の施術前後にも活用できるため、美容クリニックでの活用も十分に期待される。

小冊子発刊で医療・エステの患者(顧客)をマッチング

「Dr ArrivoⅡ」は本紙で紹介するたびに大きな反響を呼んでいる。非医療のエステ術で使われる美顔器なのに、美容医療の施術効果に負けず劣らないビューティーマシンのトップランナーといってもいい。今年JAASが開校したスクール「認定エステティシャン資格講習会」で、講師を務めた山本 豊医師、三田村 聡歯科医がこの機器に〟惚れ込んで〟それぞれオリジナルの施術法を実践したことが、その評価の高さを物語っている。
山本医師、ヒアルロン酸注入のあとのアフターフォローに「Dr ArrivoⅡ」を使うことで、肌のハリとリフトアップ効果をあげると話す。また「デンタルエステの新しい試みとして口唇にこの機器を照射することで、ハリのある口びるをつくることができます」と、三田村式のリップエステを講習会でも披露し、参加者からの話題を集めた。
実際、エステの講習会に限らず、医師や歯科医が集ったJAASのライブ講習でたびたび「Arrivo」の実演が行われ、ほうれい線が薄くなったり、その場で間違いなくたるみが改善するといった光景は少なくない。参加者がれっきとした「証人」だから、決して〟眉唾〟ではない。
開発、製造元のアーティスティックではこうしたことから、エステサロンだけでなく美容クリニック、デンタルサロンにもその販路を広げている。そして院内の使用にとどまらず物販を支援するため「Arrivo」啓蒙のための小冊子『抗老化医療BOOKシリーズ 究極の美を追求するカリスマ美容ドクター』(JHM健康医療ジャーナル発行)を発刊。初版に加え、取り扱いをするドクターを加えた増刷版を準備している。
「この小冊子は何も院内での物販ツールだけではありません。弊社関連のエステサロンにも配布しているため、掲載された医師、歯科医とクリニックの紹介欄をみて、サロンからのユーザーが治療にくることも期待しています」と同社ではいう。
いわばこの小冊子で、サロンと医療の患者(顧客)のマッチングをはかろうというもので、まさに「Arrivo」が医療とエステの共存共栄の役割を果たすことにもつながる。今でも医師や歯科医から「DR ArrivoⅡ」の院内販売のために取扱いを希望する問合わせは止まないため、急きょ同社ではクリニック向けにロット発注に限り「医療施設のロゴ入り」限定機器の製造に踏み切った。

OEM販売は、サロンに「クリニックブランド」も浸透させる

アーティスティックが開発、製造してきた美容機器はこの数年、数え上げればきりがない。そのアイデアと試作に取り組む積極果敢な姿勢は、業界ではめずらしい。美顔器はじめ、痩身機など数多くの製品を市場に投入しているが、実は最近、そのうちOEMとして他社ブランドで市場に出回ることも少なくない。
すでに同社がOEMとして開発、製造してヒットしている美容器も出始めている。一方でそうしたブランドを販売する販社のそのほとんどが美容エステ系のディーラーの役割ももつことから、普及拡大は一気に進んでいるようだ。アーティスティック傘下のこうした販社はすでに10社を超え、来春までには30社ほどのグループ化をつくる計画だ。
一方、同社では美容クリニック医師との共同開発品「Dr.J」(高周波とキャビテーションによる小型痩身機)を発売、サロンを中心に販促を進めている。販売にあたるのは前述の傘下のディーラーであることはいうまでもない。
いわばこうした、美容クリニックと共同で美容機の開発をして、OEM製造から生まれた製品を傘下のディーラーによって市場に販売していく「業務プラン」を、これからの同社の一方の柱ととらえている。美容クリニックの経営はユーザーの獲得が基本であることはいうまでもない。しかし景気の低迷は業界にとっても決して例外ではない。クリニックのブランド製品を院内物販していくことで、治療主体の収益構造の隙間を埋めることは可能で、まして、〟異業種〟のサロン市場にも販路を伸ばせることは大きい。その販路拡大はOEM製造元のアーティスティック傘下の販社が支援してくれる。
さらにメリットとして考えられるのが「クリニックのブランドそのものを、サロンに浸透させ、患者(顧客)のマッチングができる」ことだ。ここにこそ、実はこの業務プラン最大の特長があるのではないだろうか。
同社では、まずは院内物販として台数が見込める多店舗型の美容クリニックチェーンに絞り、来年春までには数種のモデル機器を発表したいと話す。もちろんそのモデル機となる施術ジャンルはDRの希望に沿ったかたちで同社が技術的なアイデアをだし共作品となることはいうまでもない。
ちなみにアーティスティックのインターナショナル事業部では、アジアの合弁会社を通じて、共同開発品として、レーザーなど美容医療機器の輸入代行もしている。

「Arrivo」

「DR Arrivo」シリーズは発売以来すでに販売台数13万個を突破した。今年に入って、女性誌からの取材が相次いで舞い込んだ。編集側も「女性のハートにぴったり食い込む久しぶりの美顔器」と評価は高い。アーティスティックでは次々に発注がかかるため、製造がショートしかねないとして、この6月急きょ、製造工場を移転。ライン拡張をしたほどだ。
同品はたった5分で小顔、ほうれい線やシワ消し、ハリのある肌に蘇生してしまう。手のひらサイズの大きさに5種類のSkinRejuvenation機能を搭載したもの。リフトアップによる小顔、ハリ肌そしてほうれい線などのシワ消しを5分で行うことができる。ノンニードルの導入法としてエレクトロポレーション、メソポレーションを行う独自のウルトラポレーション、青色LED(除菌)、EMS(リフトアップ)、高周波とその美顔機能は贅沢そのもので、この種の小型器で使われるイオン導入や超音波で浸透できない高分子成分も細胞間の隙間に送りこめる。そして「DR ArrivoⅡ」では、最大の改良は出力をさせたことで、その施術効果は格段にアップしている。またLEDも青色に加え、赤色(波長630nmによる弾力効果)、黄色(波長590nmによるメラニン合成の抑制、ターンオーバー促進)そして全灯の切り替えもできる機能を搭載した。さらに、バイブレーション機能とヒーリングサウンド機能を追加したことから、トリートメントでのリラックス効果が期待できる。サウンド機能では付属のSDカードに好みの音楽を入れることもでき、まさに個人ユースの「DR Arrivo」となる。
マシンで施術をした後は、専用の導入液を使用、ヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタなど分子量の大きい美肌成分を用意する。

10分で終わる施術

小型化、機能集約化が進むエステ業務機器は、いま「iPhone」化へと集約されてきている。その象徴ともいうべき美顔器「DRGavel」は前稿でも触れたが、もう一度スポットをあててみたい。同器はもちろん医療機器ではない。しかし美容医療の施術前後にも活用できるため、美容クリニックでの活用も十分に期待される。
最大の特長は先述のウルトパルスの機能をもたせ、「ウルトラパルスとホット&クールの融合」とキャッチコピーを掲げたとおり「Dr Arrivo」の機能に、皮膚上の毛穴を開かせ(ホット)たり、引き締めたり(クール)させる機能を加えたものだ。
いままで多くの美顔器はこうした機能はもっていなかった。そのため、施術の前と後に皮膚を温め、皮膚を冷やす別売の機器が必要としていたがこの「Dr.Gavel」一台でその手間も省けてしまう。
ハンディ型の美容機器では世界で初めて空冷式エレクトロフリーズと搭載することで毛穴の開け閉めを容易にした。ホットモードでは瞬時に40℃まで温まり、クールモードでは素早く約5℃まで冷却される。そのためホットではしっかりと開け、奥の汚れまで浮き上がらせ導入エッセンスを補給させやすい。またクールではエッセンスの効果を確実に閉じ込め、潤い成分を肌に浸透させることができる。
「DRGavel」でトリートメントする3ステップ(開き、補給し、引き締める)の施術時間は10分で終わるというのもありがたい。

ウルトラパルス

「Arrivo」の機能を搭載する「DRGavel」だが、最大の特長はウルトラパルスである。改めて概説してみる。3つの美容メカニズムをもつUltra Plusとは、エレクトロポレーション(細胞間の隙間を開かせ高分子の美容成分も導入させる)、EMS((リフトアップ効果)、高周波(肌細胞の活性)による。エレクトロポレーションとは電気穿孔法によって細胞と細胞の隙間をつくる深達技術であることは、よく知られている。またEMSも皮膚表面から電流が神経にいき筋肉を収縮させることで知られ、痩身機器などに使われている。
さらに高周波は、多くの美容医療機器でも採用され、皮下組織に「創傷治癒」を起こさせることで、タイトニングやサイズダウンさせていくことは周知のとおり。「DR Gavel」では肌への負担を最小限に抑えながらも皮下組織の発熱を促し、細胞の活性化を促すために90kHzの高周波を用いている。

◎本稿の機器、資材に関心の読者はJHM健康医療ジャーナル編集部あてにメールokano@e-jhm.jpもしくはFAX03-6222-3125まで、お問い合わせください。

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