Doctor’s LABOトピックス

DNA採取だけで、犯罪捜査での似顔絵が作れる?

指名手配犯が美容整形で顔を変える!

この手の話は刑事ドラマだけに限らない。
実際に過去の犯罪捜査でも手配犯の行方を追い、刑事が美容整形クリニックに照会を求め協力したケースは少なくない。

しかしこうした捜査では、犯人の「顔」がわれていることが前提である。
元の顔がわかっていれば、あるいは容疑者の似顔絵さえあれば、美容整形で顔を変えても、容疑者は捜査から逃れられない。

では、犯人の顔がわからず、似顔絵さえも書けないとしたらどうだろう。捜査はさらに難しくなるはずだ。

GWAS Finds Genes Associated with European Facial Features―
先ごろ、なんとこの捜査上の壁を突破できる新たな研究成果が、米科学誌PLOS GENETICSに発表された。

目の間隔や鼻の高さなどに影響を与える遺伝子5種類を特定し、そのDNAから個人差がある部位と顔の形を3次元測定の結果とあわせて解析。顔の形、目鼻立ちなど人それぞれの顔の特長が正確にわかる可能性を見出したのだ。
これはオランダのエラムス大を中心に国際研究チームが行った研究結果である。

研究調査では、オランダ、ドイツ、オーストラリアなどに在住する欧州系5400人に調査を行った。MRIで鼻から上の顔27か所の位置関係を測定し、DNA塩基配列の個人差がある箇所256万か所との関連性を調べところ、5種類の遺伝子を特定したという。

今までも、目や髪の毛の色はDNAから高い確率で予測できるようになっていたが、今回の研究成果は将来、犯罪捜査線上に浮かぶ容疑者のDNAさえ採取できれば、より詳細な「顔の特定」までも可能となるという。

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