Doctor’s LABOトピックス

過熱する美容医療業界。供給側も、飽和状態に?!

日本においても美容外科、形成外科など美容医療に進む医師が増加傾向に

美容医療市場は韓国がダントツ

2009年のデータではあるが、国際美容外科学会がまとめた世界の美容医療市場の国別ランキングと人口千人当たりの施術件数のまとめがある。
これによるとアメリカが303万件と他の国を圧倒する。そしてブラジル248万件、中国219万件が続く。日本は74万件、韓国は66万件と6位、7位の順位にある。

一方、人口千人当たりの件では韓国が13.7件と群を抜く。そしてブラジル(12.9件)、アメリカ(9.7件)が施術件数の密度が高い。日本は韓国の人口のおよそ2倍ということもあり、韓国の半分5.8件と美容医療の治療を受ける割合は一気に低くなっている。

韓国の千人当たり13.7件という数字は、10年に1回施術を受けるとすると百人当たり13.7人という経験の割合になるそうだ。さらに受診者が女性で、若年層のみをピックアップすると、実に百人に54.8人、つまり2人に一人が美容医療を受けている計算になる。
美容整形大国、韓国の面目躍如といったところか?

こうした統計がある一方、供給側の医師はどうだろう?

 

日本でも美容外科、形成外科、皮膚科の院数が軒並み増加

昨年、JAAS日本アンチエイジング外科学会の「美容医療入門講座」で講演をした阪大(医)形成外科・美容医療学教授の高田医師によれば、「ASAPSアメリカ美容外科学会の資料から世界的にリスクを伴う切開、侵襲術からBOTOX、ヒアルロン酸注入などに施術が移っていおり、これが美容医療に転身する医師が増え続ける大きな要因となっている」と述べている。

もちろん日本でもこの傾向は例外ではない。診療科目の推移を紹介しながら、間違いなく美容外科、形成外科など美容医療に進む医師が増加傾向をみていることを指摘した。

高田教授が経済産業省の統計値をもとに明らかにしたところによれば、美容医療の範ちゅうとされる皮膚科、美容外科、形成外科の増加率は90年代まではほぼ横ばいであったが、2002年から飛躍的にこの3科の医師は増加傾向をみせているという。とりわけ美容外科はその伸び率が顕著だ。

皮膚科の医師は2005年には16000人、また美容外科ではおよそ1000人、形成外科医は3000人ほどだが、それ以降、さらにこの3科の医師は増えている。またその施設数も医師の増加に歩調をあわせるかのように、増えている。

高田教授は「ますます増え続ける美容医療にあって、これからの課題は学問体系の確立、そしてスキルの研修システムの確立だ」と論じている。

お隣・韓国では美容医療の学会がいくつか存在する。後継の医師たちに技術の習熟に向けて労を惜しまず研修していく団体も少なくない。

日本はどうだろうか?

学会や団体はあるものの、技術を後継に伝えていく姿勢があるとは決して言い難い。
もちろんさまざまな事情はあるだろう。しかし学会本来の使命と役割は、技術の研鑽と後継の育成であるはずだ。 

本サイトが推奨しているJAAS日本アンチエイジング外科学会は、韓国の団体から学んだ経験を生かして発足したといっても過言ではない。今ではむしろ韓国の団体以上の研修、トレーニングの回数を重ねている。

一党一派に偏らず、広く意欲ある医師そして歯科医の先生方がJAASに集まり、需要、供給ともに増加する美容医療のマーケットの推進役の一つになっていってもらいたい。

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