Doctor’s LABOトピックス

体感重視でアミノ酸サプリ人気急上昇

医療機関そしてエステサロンで
取扱い増える

中堅サロンは
施術前に摂取すすめ施術で痩身効果高める

アミノ酸サプリが
ダイエットとアンチエイジング目的で多用

HGH分泌促進に関わる
アルギニンなどが処方で人気

一方で
他成分のサプリメントの効果疑う声も

過度な情報に惑わされないことが重要!

疲労回復、代謝促進、アンチエイジングなどの効果があるアミノ酸。アミノ酸を巡っては大手メーカーの動きも活発で、協和発酵バイオは2013年8月から美容サプリメントとして新しくアミノ酸サプリを発売した。この商品には、美容をサポートする17種類のアミノ酸(グリシン・グルタミン酸・プロリン・アスパラギン酸・アラニンなど)やビタミンCを配合している。また2013年9月からは、「アミノバイタル」でおなじみの味の素が、抵抗活力を高めるサプリとして医療機関向けにアミノ酸サプリ(シスチン・テアニン)の発売を開始する。大手が新商品を投入する中、エステサロンでも、体感重視のアミノ酸サプリやドリンクの導入が活発化しているようだ。

ある中堅エステサロンでは、成長ホルモン分泌を促進するアミノ酸や酵素を含んだアンチエイジング用のドリンクを昨年発売した。寝る前に飲むことを推奨することで就寝後の成長ホルモンの分泌を促進させるという。
店舗でスタッフやエステティシャンが来店者に薦めており、顧客の反響は上々だという。また痩身コースを持つエステサロンでは、プログラムにアミノ酸サプリを取り込んでいるところも増えている。肥満気味で基礎代謝が落ちてしまっている人が施術前にサプリを摂取することで、脂肪を燃焼しやすい身体になり、サロンでの施術効果も大きくなる。大手に限らず地方サロンや小規模サロンでも同様の取り組みを行っているところは、「効果が出る」と口コミが広がり、リピーターが増えている。
アミノ酸サプリは大きく分けて、ダイエットとアンチエイジングの2つの用途に分かれる。いずれにしても体感が大きいという点で人気の商品だ。
ダイエット目的でアミノ酸サプリを利用する場合、摂取後に運動することを前提となる。以前はアスリートやスポーツ愛好家が中心だったが、最近は女性が利用する機会も増えてきた。

アスリートやスポーツ・フィットネス愛好家向けに「MUSASHI」ブランドでアミノ酸サプリを販売するインフィニティによると、ここ数年で30~40代の女性の購入者が増えてきているという。
同社は目的にあわせ数種類のアミノ酸サプリをそろえており、中でも主力商品となっているのが、「パワーアップ系」「脂肪燃焼系」「疲労回復系」の3商品になる。目的別に細かくサプリを分類しているため、それぞれのユーザーが求めている効果が現れやすい成分配合を可能としている。
目的にあった配合となっているため期待通りの体感もしやすく、ファンやリピーター作りに成功している。
この中でも女性の利用が圧倒的に多いのが、「脂肪燃焼系」のアミノ酸サプリだ。
運動前に摂取することで、運動時の発汗量が増えたり身体が熱くなるなど体感があるため口コミでも広がっている。摂取後に運動を行うことが必要条件になるが、昨今ではダイエットに関する情報も沢山あふれており、女性でも多くの人が「脂肪を燃焼するためには最低限の筋肉が必要」であることを理解している。逆に、太りにくい身体を作るためにもっと筋肉を付けたいと、アミノ酸サプリを賢く利用している女性も増えている。
とはいえ、普段運動になじみがない人にはアミノ酸サプリでのダイエットはハードルが高く感じるかもしれない。
このような人の場合は、前述のように痩身系エステプログラムを行う前にアミノ酸サプリを摂取することで、同様の効果を得ることができるそうだ。痩身マッサージ等により筋肉が活発化し、老廃物が流れやすくなることで運動と近い状態になる。
またアミノ酸サプリをアンチエイジング目的で摂取する場合は、成長ホルモン(HGH)の分泌を促進するアルギニンやリジン等が含まれたアミノ酸サプリが注目されている。成長ホルモンは、体内で分泌が高まると、細胞の新陳代謝が活発になり筋肉量や毛髪の増加につながる。結果として肌のハリ・弾力アップ、若々しい身体、増毛などの若返り効果がわかるという。このアンチエイジング効果の高いHGHを分泌させるには、バランス配合された高密度のアミノ酸が必要だ。
さらにアミノ酸の吸収を促進するビタミン等も一緒に摂取することで若返り効果が期待できる。若返り以外にも、骨密度の向上、肝機能や心肺機能、免疫機能の向上などに効果がある。


成長ホルモン分泌を促進するアミノ酸サプリとして「H.G.H X1」を製造販売している白寿BIOの製品には、L-リジン、L-アルギニン、L-グルタミン等7種類のアミノ酸と、α-GPCやレスベラトロールやビタミン等の成長ホルモン分泌を促進する8種類のサポート成分がバランスよく配合されている。
水に溶かして飲むオレンジ風味のこのサプリ、肌のハリ等は数日飲めば違いに気づくことが多い。同社製品はドラッグストアなど一般の店舗では販売しておらず、提携している病医院など医療機関8,000院と調剤薬局3,000店にて購入することができる。商品導入にあたっては、ドクターが実際に数日間実際に試して、体感や効果に納得した上で取り扱うか決めることが多いため、導入した店舗の紹介や口コミで医療機関から問い合わせが入ることも多く、またリピート率も非常に高い。
秋に新商品を発売する同社だが、今回は日本だけではなく、韓国、台湾でも同時に販売開始する。韓国に至っては大手電子製品メーカーの子会社が総代理店となって営業展開を行うというからその後が気になるところだ。
アミノ酸サプリに限ったことではないが、サプリ市場においては「本当に効果があるのか?」という問いは常につきまとう。
ユーザーの細かな要望に応えるためラインナップを多数揃えたり、購入前に実際にサンプルを配布することで体感してもらうなど、企業努力をしているメーカーがある一方で、一部のサプリについては効果を疑問視する声も出てきている。
コンドロイチン、コラーゲンを配合したサプリの中には、分子量が大きいため体内に吸収されることはなく、該当サプリに配合された「別の成分」によって肌質改善等の体感や効果を演出しているものさえある。
また大手メーカー含め、コンビニで販売されている美容ドリンクには発がん性物質と言われる成分や肥満・老化促進する糖分が含まれているものもあったりと、本当によいものが何なのか、一般の消費者には判断しにくい時代になっていると感じる。
そして、こうした状況を助長する一因にメディアの存在が大きい。
出稿規模の大きいクライアントの商品において、何か気になる成分が発見されたり、「もしや?」という事故があったとしても、CMや大規模プロモーションとを天秤にかけた際に、これらの報道を流さぬよう代理店とメディアと連携して調整を行っている可能性もないわけではない。
こうなってくると、サプリやドリンクに限った話ではない。これからはメーカーの担当者や営業マンの話を鵜呑みにしたりメディアの情報に流されずに、自分の目で見て身体で感じ、本当によい商品を選べる目を養うとともに、それらを情報弱者である患者や周囲の人へ薦めていく必要がある。

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