美容アンチエイジング業界コラム

エステなのに美容医療の施術効果に劣らない【3】

進む美容機器の「iphone」化

業務機器を「手のひらサイズ」に、操作性やさしく、しかも性能はさらに進化させる

5分で小顔の『DR ArrivoⅡ』。
クリニック院内物販に採用相次ぐ
美容医療の施術のあとの「ホーム・フェイシャルケア」。

ダイオードレーザーの光を利用した『Dr.LD-X』
吸引前後の「溶出の中性脂肪の燃焼促進」ホット&クール機能もたせた『Dr Gavel』
キャビテーションマシンまでダウンサイズ化に『Dr Caviet』、『Dr J』
“くびれ〟需要に確かな施術効果みせる

エステと医療の共存に必要な痩身、フェイシャル機器

前述のとおり「エステの脱毛業務」を巡る今回の裁判のゆくえ次第では、エステ業界にとって「ドル箱」である脱毛市場を死守できるかどうかの岐路に立たされているといってもいい。事件によってサロン業界に激震が走ったことは否めない。〟風評被害〟を心配する店舗さえある。

そうしたなかエステサロンがクリニックと提携して、美容医療とエステの患者(顧客)の共有をはかったり、さらには美容クリニックやデンタルクリニックがエステ部門の併設を行うケースも増えている。

「もはや美容医療とエステが敵対している場合ではない。マーケット全体の委縮を招くことは明らかだ。だからこそエステと医療は共存繁栄するためにお互いの理解と協力が不可欠である」(JAAS理事・山本医師)
誰もが気づいていながらなかなか、そうした方向に向かわないのはなぜだろう?お互いが施術や知識を知らず、交流が疎遠になってしまっていることが一つの要因なのではないだろうか。

場合によってはエステ側は「エステの施術ですべて顧客の満足度を満たした」として、美容医療の良さを伝えない。また美容医療側は「エステで行う施術は効かない、過度な施術は危険である」としてエステサロンをバカにする。この疑心暗鬼ともいうべき負の連鎖が、お互いの提携を阻む。
エステに来る顧客に美容医療の良さを伝え、クリニックに紹介すれば顧客から喜ばれるはずだ。その顧客は必ず「エステでしか味わえない、癒せない施術」に帰ってくる。また美容医療の施術のあとに行うアフタートリートメント・ボディメンテナンスはクリニックではやれないか、あるいは不得手であるはずだ。だからこそ患者をエステに紹介してやる。
この良好な循環がこれからは必要となる。

さて、こうした本来エステで効果のある施術に痩身、フェイシャルメニューがあるが、そこで使われる美容機器に今、小型化、機能集約化の波が押し寄せている。エステ業務機器の「iphone」化ともいうべき現象だ。この機種群もちろん医療機器ではない。しかし美容医療の施術前後にも活用できるため、美容クリニックでの活用も十分に期待される。

13万台突破の理由は、その施術効果

その中の一つ、「Dr ArrivoⅡ」は前号でも紹介し大きな反響を呼んでいる。

非医療のエステ術で使われる美顔器なのに、美容医療の施術効果に負けず劣らない代表格といえよう。開発、発売元のアーティスティックでは、エステでの物販を支援するために啓蒙のための小冊子『抗老化医療BOOKシリーズ 究極の美を追求するカリスマ美容ドクター』(JHM健康医療ジャーナル発行)を発刊した。サロンと同時に今後さらに取扱が増える美容クリニック、デンタルクリニックにも配布する。そして医師や歯科医から「DR ArrivoⅡ」の院内販売のために取扱いを希望する問合わせが増え、急きょ同社ではクリニック向けに、ロット発注に限り「医療施設のロゴ入り」限定機器の製造に踏み切った。また、発注する医師らには、医師並びにクリニックの紹介紙面を小冊子に追加し、増刷することも決定、院内物販の支援ツールとして提供していくという。

DR Arrivo」シリーズは発売以来すでに販売台数13万個を突破した。今年に入って、女性誌からの取材が相次いで舞い込んだ。編集側も「女性のハートにぴったり食い込む久しぶりの美顔器」と評価は高い。アーティスティックでは次々に発注がかかるため、製造がショートしかねないとして、この6月急きょ、製造工場を移転。ライン拡張をしたほどだ。

同品はたった5分で小顔、ほうれい線やシワ消し、ハリのある肌に蘇生してしまう。手のひらサイズの大きさに5種類のSkinRejuvenation機能を搭載したもの。リフトアップによる小顔、ハリ肌そしてほうれい線などのシワ消しを5分で行うことができる。ノンニードルの導入法としてエレクトロポレーション、メソポレーションを行う独自のウルトラポレーション、青色LED(除菌)、EMS(リフトアップ)、高周波とその美顔機能は贅沢そのもので、この種の小型器で使われるイオン導入や超音波で浸透できない高分子成分も細胞間の隙間に送りこめる。そして「DR ArrivoⅡ」では、最大の改良は出力をアップさせたことで、その施術効果は格段にアップしている。またLEDも青色に加え、赤色(波長630nmによる弾力効果)、黄色(波長590nmによるメラニン合成の抑制、ターンオーバー促進)そして全灯の切り替えもできる機能を搭載した。さらに、バイブレーション機能とヒーリングサウンド機能を追加したことから、トリートメントでのリラックス効果が期待できる。サウンド機能では付属のSDカードに好みの音楽を入れることもでき、まさに個人ユースの「DR Arrivo」となる。

マシンで施術をした後は、専用の導入液を使用、ヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタなど分子量の大きい美肌成分を用意する。

同社ではさらに痩身マシンの小型化にも成功している。その一つが「DrLD‐X」で光痩身のもととなる出力源は、ダイオードレーザーで低出力の光をだす。出力範囲は40nm―100nmWで波長域は680nmという。
低出力のため、安全でしかも短時間(30分程度)での施術で効果が確認できるという。30分のトリートメントで確実に1~5cmのサイズダウンが見込めると自信をみせる。痩身のメカニズムは、皮下組織において脂肪細胞はお互い密着しているため、そこに低出力光を照射することで一時的に開孔する。そしてその隙間から内部物質が溶け出していく。水分、グリセロールや自由脂肪酸などが溶出し流れ出る。その結果、脂肪細胞のサイズは著しく小さくなっていくというもの。

この脂肪の液化現象によって、液化した中性脂肪などは全身の筋肉でエネルギーに変換され代謝、排泄されていく。コンパクトな装置にも関わらず、同社の特許技術「ウルトラパルスポレーション」、マイクロEMS機能も搭載されている。これによって、流れ出た中性脂肪を確実に燃焼させ、さらに燃焼スピードをあげるためにもリンパマッサージやEMS、温熱治療などが欠かせない。

先述のウルトパルスの機能をもたせ、「ウルトラパルスとホット&クールの融合」とキャッチコピーを掲げた「Dr.Gavel」(フェイス販売)も、小型のフェイシャルマシンとしてデビューした。「Dr Arrivo」の機能に、皮膚上の毛穴を開かせ(ホット)たり、引き締めたり(クール)させる機能を加えたものだ。

いままで多くの美顔器はこうした機能はもっていなかった。そのため、施術の前と後に皮膚を温め、皮膚を冷やす別売の機器が必要としていたがこの「Dr.Gavel」一台でその手間も省けてしまう。

キャビテーションまで手のひらサイズに!

痩身マシンで話題を集めたものにキャビテーションがある。液体の流れの中で圧力が変化することで、発生する気泡が物体を破壊してしまう現象を利用して、美容の世界では活用したものだ。特異的な超音波の周波数を体外から与えて、脂肪細胞中の水分や細胞外の間質液を共鳴させて渦を作り、そこに発生する気泡によって、脂肪細胞の細胞膜を破壊する。多くの痩身機器が“熱”を媒介として行われてきたが、キャビテーションでは、熱を発生させない。

キャビテーションとRFの複合マシン『Explode-Lipo Pro』を開発してきたアーティスヒックでは、その進化版の開発に成功。先ごろ「Dr.J RFキャビテーション」として市場に投入した。

そのコンセプトは、やはり軽量で施術の負担を限りなく減らした小型化だ。All in OneのSlimming Machineの言葉どおり、キャビテーションに4つのモード切替ができるRFとLDライト、さらにLEDとヒーリングサウンドを備えた。開発にあたり美容医療に携わる医師の助言ももらい完成にこぎつけている。
同社のOEMとしてさらにコンパクト化した「Dr.Caviet」を発売したのはJB MACHINERIE社で、親会社のクールプロジェクトはサロンを多店舗もつところだ。サロン側の要望「軽くて手のひらサイズの痩身機を。そして業務機器の性能かそれ以上の能力をもたせてほしい」を忠実に再現した。もちろん自前のサロンでの検証を、開発中に数多くこなしたことはいうまでもない。「くびれニーズ」に応えられる確かなエビデンスをもっているという。
この「Dr.Caviet」は、家庭でも使用できるよう設計されているためサロンの院内物販に期待がかかる。

「Dr.Caviet」には、独自のディープヒートシステム(DHS)も搭載されており、脂肪を分解させると同時に、液状化をさせ、バイブレーションにて燃焼を促す機能までもたせている。

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