最新治療レポート

「ヒアルロン酸で失明」韓国症例を中間医師が明らかに

JAASアカデミー第1回公開講座で

低侵襲術でも侮るなかれ
解剖学実習の必要性説く

症例報告
25歳の女性患者は、突然出現した右眼の視力低下を主訴として本院緊急治療室に来院した。裸眼視力の右目にてno light perception、左視力は0.15だった。ゴールドマン眼圧計で測定した眼圧は右目9㎜Hg、左目11㎜Hgであった。右側に瞳孔反射異常の所見と眼瞼下垂を伴った完全な外眼筋麻痺を認め、眼底検査で蒼白化された視神経乳頭と共に後極部網膜の混濁が観察された。また、中心窩には桜実紅斑が現れ、網膜の血管が細くなって分割されていた。

本院来院直前に、他の病院で美容目的でヒアルロン酸注入を約5回にわたり、眉間に施術された。注入当時、めまいと体に衝撃様の症状が出現したため、すぐに施術をやめヒアルロニダーゼ注入を行い安静処置をとったが、眼瞼下垂と視力消失を主訴に来院した。蛍光眼底血管造影検査で右目の網膜動脈の閉鎖が観察され、右目の網膜と脈絡膜の血流障害が原因で右目全体の網膜の広範囲な虚血性の損傷の所見がみられた。

眼窩を含む脳のMRI検査では、視力消失を引き起こす可能性の視神経に特別な病変が観察されなかったが、両側前頭葉に多発性の局所脳梗塞が観察され視覚誘発電位検査では左目は正常であったものの、右目では振幅が表示されなかった。

(文中抜粋、全文はJAASアカデミーに掲載中)

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