Doctor’s LABOトピックス

「たかが口内炎」侮れない

ベーチェット病など重症に陥るケースも

ワタナベ活性型オイスターで改善、臨床報告で立証

口内炎に悩む人が少なくない。発症原因は、ウイルス、細菌、栄養不足、精神的なストレスや免疫力の低下などとさまざまだ。口内炎によって生じる痛みは摂食行為に影響を及ぼし、その結果、栄養バランスが崩れたり不眠症状を伴ったりするという悪循環に陥る。口内炎には大きく分けてカタル性とアフタ性に分類されるが、とりわけ斑点上の小潰瘍ができるアフタ(aphtha)性口内炎は体調を崩し疲れがたまると発症するケースが多い。この口内炎を繰り返すとベーチェット病などを重症に至ることもあり、「たかが口内炎」と決して侮れない。しかし日頃の予防でこうしたリスクを低減できることが立証されている。その〝予防食〝こそ、牡蠣肉エキス含有の「ワタナベ活性型オイスター」に他ならない。

誤って噛んだり、歯があたるなどして物理的な口腔内での損傷で炎症を起こすカタル性は、咬合行為に関係する器具や歯列などを矯正すれば問題はない。しかし、ストレスや過労さらには食生活の偏りによる栄養バランスの乱れから免疫力が低下して、発症、再発を繰り返す再発性アフタ性口内炎(RAS)は世界的にも深刻で、その発症頻度は欧米の全人口の20%以上が一生に一回以上羅患するといわれている。日本でもその頻度は欧米並みのようだ。
 口内炎は口腔粘膜疾患のひとつで、口腔内に傷ができることで発症する。発症プロセスは、その傷口から、口内炎を引き起こすウイルスや細菌が侵入して、さらに傷口を傷つけ水疱をつくる。そしてその水疱が破裂し潰瘍となって口内炎になる。
 RASにかかると、自然治癒していく場合もあるが、痛みによっては摂食、節水など日常生活に多大な影響を及ぼす。その結果、QOLの著しい低下を招き、薬物療法をせざるを得ない。抗菌薬、消炎鎮痛剤、重度になればステロイド薬の投与へと向かう。しかしいずれの治療も対症療法であることから、治療効果には限界があることはいうまでもない。
 そもそも口内炎を引き起こす口腔粘膜の傷は、どうやって治るのだろうか?
その修復にタンパク合成が必要となる。その際、タンパク合成のための鋳型であるmRNAが多量にあればタンパク質も多量に合成されるが、このmRNAを合成する酵素がRNAポリメラーゼである。
 そしてRNAポリメラーゼの活性中心こそ亜鉛のため、亜鉛の補給でRNAポリメラーゼが活性化されmRNAの数を増やし、その結果タンパク質の合成を促進することになる(イラスト参照)。
 つまり亜鉛補給こそ口腔粘膜の傷を修復、再生して、口内炎の発症を食い止めることになる。亜鉛をはじめ微量ミネラルやビタミン類を豊富に含む牡蠣肉から抽出したエキス含有の「ワタナベ活性型オイスター」が、口内炎の改善にとどまらず、〝予防食〝ともなることが、この科学的な事実から明らかであろう。
 こうした亜鉛による口内炎の改善症例を認める臨床報告は、過去いくつか報告されてきている。
 その一つに共済組合連合会斗南病院の皮膚科・根本医師らが検証した「低亜鉛血症を伴う口内炎の一例」がある。8年に及ぶ長期の慢性膵炎をもつ患者に発症していた口内炎に対して、治療の観察中に亜鉛の低下に気づき、亜鉛を補充したところ口内炎の改善をみたという。血清亜鉛の低下にみる値が57μg/dlだった
数値が0.1%硫酸亜鉛シロップを30ml/日投与したところ、70μg/dl(正常値は65~110μg/dl)にまで上昇し、口内炎も全く認められない状態にまで改善している。
 さて、口内炎の〝予防食〝「ワタナベ活性型オイスター」の口内炎に対する有用性についても、言及しないわけにはいかないだろう。
 鶴見大歯学部附属病院専門外来で来院患者に対してRASの病態の評価を行い男性5例、女性6例の計11名に対して「ワタナベ活性型オイスター」の投与(一日摂取12粒を連続7日間)を行い、その結果を報告している(2009年Progress in Medicine論文投稿)。
 調査、観察、検査項目では、RAS既往エピソードの経過の聴取、試験日誌の記入、RAS症状の経過観察、刺激時唾液量の測定、口腔内Candidaの菌数測定を実施した。
 その結果、日常的に繰り返し口内炎を患っている10名が、本試験を行う以前に、口内炎の痛みが消えるまでに要した日数が平均8.7日だったのに対して、摂取後、4.9日と有意に短くなった。また、口内炎の状態が10名中7名で消失し、2名が顕著な改善、1名がやや改善した。

↑ページの先頭へ戻る