Doctor’s LABOトピックス

アメリカの豊胸需要は様変わり!?

巨乳からナチュラル志向へ
『American Health &Beauty』掲載記事で

 背景には、自然で形のよいシリコンバックの開発が

「シリコンバックで自然な豊胸が可能に」といっても、より大きくすることが必ずしも求められているわけではない-。
こんな報告が、ビューティー誌『American Health &Beauty』に掲載された。リポートではデンバーの美容整形医Dr.David Broadwayが「コロラドでは最近、患者さんからの要望で自然で健康的な豊胸術が増えている」として、無理に大きくする傾向からより自然に隆起させる豊胸術に移っていると報告した。

大きさよりも形や配置が大事

また、Broadway医師によれば「ナチュラルなバストを強調するにはもちろんその形やバックの配置、そして何より術式が重要です。そして10年おきに交換することを薦めている」とコメントする。そして交換する際、インプラントは少しづつサイズを変えていくことになるといい、多くの患者がより大きくすることよりはむしろ小さくしていく可能性があるようだ。

 

アメリカの豊胸バックの歴史が関係する

「シリコンバックは今や豊胸時手術の世界標準ともいえ、その安全性、有効性は保証されている」と同医師が強調する背景には、アメリカでの豊胸バックの歴史がある。
掲載記事の中で、『自然でしかも格好の良いバストをつくることができたのは、シリコンジェルの開発から』とのタイトルで、1960年代シリコンバックが流通し始めた時、FDAがその安全性を理由に使用の規制を敷いた。その間登場したのが、生食による豊胸術だったが、問題点が浮上する。その問題点とは、「術後にバストがさざ波のように揺れ、しわを作ってしまう」ことだったという。
その後、シリコンバックの安全性が認められ、1980年代から多用されていくことに。このシリコンバックの豊胸術を始める美容整形医が増えて行ったことから、症例数は一気に拡大することになり、手術の成功の確率は高くなっていく。さらに危惧されてきた感染症についてもほとんどの場合問題となっていない。

アメリカの美容形成学会ASPAによれば、2010年から過去2年間、年率5%の勢いで豊胸手術の件数が増加しているという。2011年には、307,000症例にも及ぶ豊胸術が実施され、その多くがシリコンインプラントを挿入するオペである。
より自然で形のより豊胸を求める患者に対して、シリコンバックの改良はさらに進む。そして、アメリカでも不自然な巨乳から、少し小さくてもナチュラルで形のよりバストを求める女性がこれからも増えていくに違いない。

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