Doctor’s LABOトピックス

圧倒的なエビデンスの質と量~その研究プロトコルは

相談、漢方系薬局から
生活者(患者)の声吸いあげる

牡蠣の養殖、研究を世界の中でけん引する日本だが、とりわけその有用性について「ヒューマンヘルスケア」の視点から研究を行い、次々と新たな知見を明らかにしてきたのが、他でもない渡辺オイスター研究所である。世界かき学会(WOS)主催による国際的な学術発表の場「国際かきシンポジウム」(Key Word参照)では、今や同社の斬新で先見性のある研究報告に関心を指し示さない会員や研究者はいない。そうした有用性を解明し続けるその商品こそ、同社が開発、販売の活性型牡蠣肉エキス「ワタナベ活性型オイスター」で、その基礎、臨床における有用性、安全性のエビデンスは国内はもとより世界でも類を見ない。臨床試験などから得た研究成果は、毎年数本にも及ぶというから驚かされる。そして相次いで明らかになるエビデンスは、取り扱いチャンネルである相談系、漢方系薬局の薬剤師に「オイスターセミナー」という勉強会を通じて報告されている。講師はもちろん、研究の陣頭指揮をとる渡辺 貢代表(畜産学博士、医学博士)であることはいうまでもない。本稿では過去何度かこうしたエビデンスをレポートしてきたが、積み上げられてきた研究データはまだまだ数多く、紹介しきれない。シリーズOysterレポートの今回は、エビデンスの報告を少し休んで、一方の主役である渡辺代表の会社における理念と、研究への情熱、そして薬局と共に歩み続ける思いに触れてみたい。


渡辺オイスター研究所は、創業以来一貫して、「ワタナベ活性型オイスター」の取り扱い先を相談系、漢方系薬局においてきた。未病を抱えながら、そのからだの変調や悩みを、親身になって聞きながらカウンセリングして最善の処方をしてくれる薬局の薬剤師こそが、生活者を心身ともに回復させ、快方に向かわせると信じててきたからに他ならない。そしてオイスターが貢献できる場所が薬局ルートだった。もちろん決して医療を否定しているわけではない。標準医療ではすべて解決できない症状を、生活者の〟パーソナルファーマシー〝として手助けしてあげる役割を薬局はもつ。いわば薬剤師も〟補完医療〝を行う重要なスペシャリストだといえよう。
病気を治療する主流医学に対して、補完代替医学は病態メカニズムを治療していく。その方法論は前者が対症療法であるのに対して、後者は根治療法となる。相談、漢方系薬局の薬剤師の多くが、この病態メカニズムの理論と知識、そして「歪んだメカニズム」の改善、補正のためのアプローチをしているといっていい。それが漢方処方であり、オイスターである。
「牡蠣肉エキス単体のみに年間数本もの研究データを発表しています。新たな有用性を見つけ出すために、その病態に対するプロトコル、そして仮説を立てなければならない。その源泉はすべて薬局の現場、とりもなおさず薬剤師の先生方が日々相談を受ける生活者の声から拾い上げています」
渡辺代表が述懐するように、薬局からの情報は「宝の山」となる。そして相次いで明らかになるエビデンスは、取り扱いチャンネルである相談系、漢方系薬局の薬剤師に「オイスターセミナー」という勉強会を通じて報告されていく。その開催頻度は、北は北海道から南は九州・沖縄まで、年間およそ43回を数えるというから驚かされる。
「弊社は薬局の方々から多くの貴重な情報とご要望を頂いている。研究成果を出し続けることは、そのための恩返しです。勉強会で報告するのはオイスターの研究データだけではありません。有効性を見出すために関わった病態メカニズムや生体内代謝、栄養生理、動態薬理について、一緒に勉強し、ディスカッションをしながら学んでいます」
薬局の現場の声を反映しながら研究テーマが生まれるオイスターではあるが、実はもう一つ重要な羅針盤があることを忘れてはならない。有名な中国明朝の時代に著された薬学本・本草網目である。網目二十三の四十六巻に、オイスターの有用性の源泉となる、牡蠣肉が収載されている。【主治】として、次のように書いてある。
煮食治虚損調中解丹毒婦人血気以……と続くが、訳すと、牡蠣肉は煮て食すると虚無感、心理的な患いを癒し、身体の調子を整え、丹毒を消し、婦人の血気の流れをよくする。生のまま生姜酢で食すると、丹毒を治し、飲酒後の熱を下げ、のどの渇きを癒す。炙(あぶ)って食すると大変美味しく、また肌のきめを整え、皮膚の色を美しくする。
とある。
ここに書かれている【主治】のとおり、同社では渡辺代表が陣頭指揮をとりながら、次々と現代のサイエンスからその有用性を突き止めてきた(有用性、安全性データは本紙既報)。
そして一昨年には、こうした数数の研究の末、渡辺代表自身、北海道大との共同研究で医学博士の称号を得た、画期的な研究成果にたどり着くことになる。
牡蠣肉中に新規の抗酸化物質「E6」を突き止めたことだ。ビタミンC、Eよりも高い抗酸活性をもつだけでなく、非酵素系のAntioxidantsでは極めて稀な両親媒性(水溶性、脂溶性の性質を兼ね備える)という化学構造をもつことも解明。この特性から既存の抗酸化物質では到底叶わない、細胞膜を通り、細胞質内の細胞核で遺伝子DNAを酸化損傷させるROS(活性酸素種reactive oxygen species)に対して、直接その消去メカニズムが働くことになる。天然物では極めて新しいAntioxidantの発見として、学術的にもその価値は高い。また、活性酸素吸収能力を示すORAC値(oxygen radical Absorbance capacity)も、V.Cの2・48倍もの能力を示した。ちなみにこの新規物質「E6」の測定は、現在、同社のラボでしかできない。
「人間性豊かな健康文化の創造で人々の幸せに貢献しつづける。この社是どおり薬局の先生そして生活者の健康のために、たゆまぬ研究をつづけていきたい」として、研究、営業支援の開発、薬局へのサポートチームとしての営業などの陣容をさらに、充実、増員していく。一方で研究、製造拠点となる本社社屋の拡張をも数年かけて行うという。

○Key Word
WOSでは、2005年に第1回の「国際かきシンポジウム」を開き、後に学会として正式に発足する。会長には元東北大の森 勝義博士が就き、傘下に16名の委員が学会の運営にあたる。委員は日本をはじめ、中国、フランス、カナダ、台湾、オーストラリア、アメリカなどそれぞれの国の海洋、水産学の蒼々たる研究陣の顔が並ぶ。
第4回となったシンポジウムには、世界30カ国・およそ500名の会員のうち、200名ほどがタスマニア島に集った。日本から参加した渡辺オイスター研究所の渡辺 貢代表もその中の一人で、牡蠣の有用性について「ヒューマンヘルスケア」の視点から研究を続ける先駆者として、WOSからも評価は高い。半ば招聘されるかたちで、最近明らかになった牡蠣の有効性を示すエビデンスについて発表、称賛を持って迎えられた。
渡辺氏の講演は「栄養の宝庫」牡蠣の有用性について「IDENTIFICATION OF ANTI-OXIDANT SUBSTANCE FROM PACIFIC OYSTER AND ANALYSIS OF ANTI-OXIDANT CAPACITY」と題し、牡蠣中の新規抗酸化物質「E6」解明を報告をしている。一方、ポスター発表でも、同社研究員が2題「CLINICAL EFFICACY OF PACIFIC OYSTER EXTRACT ON SPERM PROFILES IN HEALTHY MALE SUBJECTS」そして、「EFFECT OF THE FOOD CONTAINING OYSTER EXTRACT ON STRESS,FATIGUE AND QUALITY OF SLEEP IN WORKING PERSONS」、発表した。
また、平成25年2月1日をもって渡辺氏は、カキ研究の分野で最も世界で通用する学会であるWOSの日本支部長に招聘され、カキの研究に関する日本を代表する一人として認められている。

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