最新治療レポート

糖尿病にオイスターは有効

機能性医学(齋藤医師)でも、ミネラル摂取は必須

栄養摂取の偏りも原因
予防にサプリメントが大切

いま予防医療あるいは根治治療の必要性を叫ぶ医師は少なくない。しかし実践できるドクターとなるとそうはいない。そうした中、先ごろアメリカ最先端のFunctional Medicineをベースに日本型の栄養療法を医師たちに教える現地派遣研修が東京で開催された。JAASと日本臨床抗老化医学会(JSCAM)の共催によるこのワークショップの講師に招かれたのは、東京健康クリニック院長の斉藤 糧三医師である。「診断とクスリによる投薬が主流の対症療法では慢性疾患は治せない」として、早くから慢性疾患の発症原因を独自の検査データから読み取り、栄養の改善をはかりながら根治をめざすニュートリション・セラピーを実践してきたスペシャリストだ。この治療スキルはもちろん「体質」を変え疾病に打ち勝つ予防医療でもあることはいうまでもない。血液データから独自に読み取った検査値をもとに模擬診断も公開されていく中、「現代人が病んでいる背景には栄養摂取の偏りが大きい。糖、炭水化物の多量摂に比べタンパクやビタミン、ミネラルが欠乏している」と指摘した。とりわけ強調したのが亜鉛、銅や鉄分など微量ミネラルの欠乏だ。そして慢性疾患あるいは予防のためにもサプリメントが必須となるとして、その処方も医師らに伝授した。本稿でレポートしている蠣肉エキス「ワタナベ活性型オイスター」もまた、〝齋藤理論〝と相通じるエビデンスをもっているといっていい。5月後半から始まる「渡辺オイスターセミナー」(以下セミナー)でテーマとなる糖尿病編をいち早く、読者の方々にダイジェストでお届けしたい。

機能性医学を推進する齋藤医師

齋藤医師が的確に述べている。
「栄養素の所要量はあくまで欠乏症で死なない量。最適な代謝をはかるには至適量が必要で、治療目的であれば薬効量を摂取する」
つまり、現代栄養学の〝所要量神話〟をある意味否定しているといっていい。それが慢性疾患などを根治できない現代医学あるいは栄養学が陥る「過去の常識からの呪縛」なのかもしれない。
齋藤医師は、有機酸、血液、毛髪、フードアレルギーなどの検査チェックを独自に解析しながら、症状を抱える患者を診断していく。このニュートリション・セラピーではたとえばBUNの至適値がある数値を下回れば(独自の読み取り値だが、ワークショップの性格上数値は控える)タンパク欠乏と診断する。うつ症状を抱える人に多いという。またALPの至適値以下であれば亜鉛、銅の欠乏しさまざまな疾患、体調の不調を生じるなどというように、こうした項目は多岐にわたる。
研修では実際の症例報告をしながら、サプリメントによる栄養改善をはかり、根治に向かうデータを公開した。
一方、本稿でレポートしている蠣肉エキス「ワタナベ活性型オイスター」もまた、〝齋藤理論〝と相通じるエビデンスをもっているといっていい。
先述の斉藤医師の指摘のとおり、栄養バランスの不均衡が糖尿病などの生活習慣病の大きな原因となっているとして、渡辺オイスター研究所でもかねてからセミナーで訴えてきた。事実先ごろのNHK放映でも糖尿病の食事療法は「ミネラル・ビタミンを豊富に摂取する」ことがポイントの一つであることが指摘された。
インススリン分泌不全型の糖尿病発症に至るメカニズムは、あえて説明するまでもないが、簡単に述べよう。
糖質、脂質を摂りすぎと、肥満脂肪細胞からインスリン阻害物質TNF‐αが分泌される。これがインスリンの働きを低下させ、細胞内から細胞表面に移動される糖取り込みポンプ(糖輸送体)の数が減り、その結果、血中に取り込まれるブドウ糖が減少していく。つまり血糖の上昇を招くことになる。
こうした血糖値の上昇を招く引き金ともいえるTNF‐αの分泌を微量ミネラルの一つクロムが抑えることがわかっている。そしてセレンもまた、糖尿病の発症の抑制に深く関わっている。
糖輸送体はそもそも何故?細胞表面に移っていくのか。インスリンが細胞の外側のインスリン受容体に結合してはじめて血中の糖分を細胞内に送り込む指令を出す。この際、その指令は細胞内でセレンの働きによって伝達される。
これがセレンの「インスリン様作用」といわれるもので、血糖濃度を抑える重要な役割を果たす。
さらに〝第三の役割〝を果たすミネラルがある。亜鉛だ。インスリン阻害物質TNF‐αによって低下するとインスリンの働きの低下を補うため、すい臓がリカバーすることはご存じだろう。糖尿病になると、このすい臓でのインスリンの蓄さえ少なくなってしまう。
しかし亜鉛はすい臓のβ細胞でインスリン合成を促進する働きをもつ。さらにβ細胞内にインスリンを蓄える役割も果たす。
「ワタナベ活性型オイスター」はこうした微量ミネラルを豊富に含むだけでなく、すでに糖尿病に対する有効性を示すエビデンスを数多くもつ。
たとえば不眠、糖尿病を誘引するホルモンであるコルチゾールの過剰分泌を「ワタナベ活性型オイスター」の摂取試験で抑える結果が出ている。またストレスに強くなることもこの試験から明らかになっている。
糖尿病患者の4割が睡眠障害であることや、不眠から起こるコルチゾールの過剰な分泌で血糖値が上昇するということからも、不眠と糖尿病の関係性は切っても切り離せない。
また2型糖尿病患者における「ワタナベ活性型オイスター」の亜鉛補充作用と抗酸化作用についても、臨床試験を行っており、一定の有効性を得ている。
さらに糖尿病を患い透析治療を受ける患者に対して
「ワタナベ活性型オイスター」の摂取試験を行った報告ではNK細胞活性が有意な上昇をみせ、QOL改善も認められた。
これらのエビデンスはほんの数例である。しかし多くの試験結果から亜鉛、セレンなどの微量ミネラルが深く関与していることは疑う余地はない。
一方、糖尿病での血糖値の上昇は、活性酸素の発生を惹起させ、糖尿病性の合併症を発症させる。「ワタナベ活性型オイスター」には抗酸化酵素のSODやGSH‐Pxの働きを高める亜鉛、セレン、銅が豊富に含まれている。それだけではなく、細胞の奥深くまで到達できる両親媒性の抗酸化物質を豊富に含み、オイスターの抗酸化作用もすでに国際的な学術誌に報告されている。
ここでは詳しいエビデンスデータは掲載できないため、5月後半から始まるセミナーに足を運んでみたらどうだろう。糖尿病にテーマを絞って勉強会が開かれる。

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