Doctor’s LABOトピックス

韓国から新たなPRPキット上陸「YCELLBOI PRP KIT」(国内輸入代行 ウィステリア)

発毛セラピー講習会で幹細胞(SVF)と併用

血小板の濃縮率は7~9倍
易操作性、低コストに加え、専用の遠心分離機必要とせず

 美容再生医療は、美容医療はもちろん歯科や他科診療などからも関心が高い。アンチエイジング診療にとって今やその技術は欠かせない。先ごろ行われたJAAS主催ライブ講習会「第5回DR中間の美容アンチエイジング再生医療塾~SVF/Scaffold?PRPによる最強の発毛セラピー」でも、そのテーマは幹細胞とPRPを組み合わせた再生療法で、受講者の関心を集めた。とりわけ、どんな医師でも最も身近で安心して施術に取り入れることができるのがPRP療法なのかもしれない。こうした医療需要は、PRP注入を行うために用いる分離用キットの改良をはかり、より簡単により低コストで治療効果の高い器材へと進化させてきた。それはあたかもヒアルロン酸製剤の改良に似ている。そんなPRPキットに今年、韓国から革新的な製品が上陸し、日本の医師らに徐々に浸透している。第3世代に向かうPRPキットの動向を追った。


 PRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)は、患者からの自己血を採取した血液から、血球を除いた血小板リッチな血漿のことで、改めて説明するまでもない。これを真皮、皮下に注入することで、フィラー剤や手術では効果が難しい縮緬シワや肌の若返りが可能となる。どんな医師でも最も身近で安心して施術に取り入れることができるアンチエイジング再生療法と言えよう。
 骨の接合あるいは熱傷、火傷の治癒など本来の再生医療として活用されるPRP治療では、輸血レベルの量が必要となるためキットを使ったPRP治療は難しい。やがて第1世代のPRPが登場し美容医療に用いられるようになる。しかし同じ患者の血液であっても試験管ごとにその成分にバラツキが生じ均一性に著しく欠けていた。そして均一性を高めなおかつ、チューブ、セパレータ(フィルター)などの器材、資材の改良が進み飛躍的な普及に向かう。
 とはいえ、そのコストに難点を抱えていた。1回のオーダーで30万円を超える資材価格のため、自ずと治療費を上げざるを得ない。富裕層の美容医療というイメージが定着しクリニックでは幅広い層に対するPRPt療法の普及には至らなかった。
 こうした末、より簡単により低コストで治療効果のさらに高い器材へと改良は進み、今年そうしたPRPキットが登場。日本の医師らに徐々に浸透し始めている。第3世代型のPRPキットである。
 そのキットこそ、「第5回DR中間の美容アンチエイジング再生医療塾」の発毛セラピーのライブで実演された「YCELLBOI PRP KIT」(国内輸入代行 ウィステリア)だ。

米国FDA、ヨーロッパCE、韓国KFDAも認可するMade in Koreaの高濃度PRP抽出キットで、韓国ではいま最も導入が進む製品だという。
 9月に開催された第4回JAAS東京ライブフォーラムでも「PRPキットの多様適正と薄毛治療」と題して、韓国のKim Se-Jung医師が臨床報告をしたことは記憶に新しい。発表を聴講した読者もいるはずだ。
 もちろん、この高濃度PRPキットにより抽出された高濃度血小板だけでも薄毛に対する有用性があることは、Kim医師の報告でも明らかだが、中間医師がライブ講習で実施したSVF(間質系幹細胞)とScaffoldに3種混合として入れた高濃度血小板で、より発毛治療の効果は上がる。
 PRPキットはここ最近、低コストで操作性も簡単、PRP中の血小板や成長因子の濃縮率を高めたものが相次いで開発され、美容クリニックに紹介されてきたが、それぞれのキットに対応した専用の遠心分離機が必要となるケースが少なくない。「YCELLBOI PRP KIT」では、10mlの採血管に対応できる遠心分離機があれば、ほぼどんな機種でも対応できるというからありがたい。このため、すでに一部日本の美容医療クリニックでも導入されその評価は高い。
 PRPはPlatlet Rich Plasmaの略称であることはあえていうまでもない。そして「YCELLBOI PRP KIT」では、RBC(赤血球)とPlasma(血漿)をいかに効率よく分離して、白血球(WBC)とPlatlet(血小板)を含むBuffy Coatを高濃度に抽出していく。この操作によって血液分離前に比べて分離抽出後、7~9倍の血小板濃縮率(PLT:1,500,000~2,000,000/μl)を得る。
 こうして出来た濃縮血小板には、IGF,PDGF,EGF,TGF-β,VEGF,FGFなどのGrowth Factor成長因子を含み、治療効果を増すことになる。
PRP作成のプロトコルは至ってシンプルで誰にでも容易に行える。採血後、専用のチューブに血液を入れる。そして、1回目の遠心分離操作と進む。これによって分離が進むが、Buffy Coatはまだ不鮮明なため、キットにあるコントロールレバーを回してRBCレベルを調整する(男性、女性によってこの調整は異なる)。さらに2回目の遠心分離を行えば、Buffy Coatが鮮明に現れる。
次に、コントロールレバーを回して、Buffy Coatをスリムネック(特許取得)の中央まで押し上げていく。あとはBuffy Coatを針先で撹拌しながら、注入用のシリンジに移していく。血液15mlで採取されるPRPはおよそ1.5mlとなる。このように採血後、専用チューブに移してからPRP抽出まで同一容器内で行うクローズドシステムであるため、コンタミのリスクは低く、安全性は高い。
治療効果が高ければクリニックにとっても、リピーターとなる確率は高まり、その上評判が評判を呼び新規需要はさらに高まる。しかしPRPの資材コストがそのネックとなり需要層は限られる。しかしこのキット、購入コストは低い。
 PRPの治療用途は幅広い。美容皮膚再生、育毛・発毛療法や疼痛などのペイン治療にも有効だ。また最近では眼科治療の術後の回復促進にPRPを点眼用途で使われることも少なくないという。 
○本キットにご関心にある読者はJHM編集部(03-6222-3121)にお問合せください。

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